2026/01/28 12:00


「これ、レジンですか?ガラスですか?」

作品を手に取ってもらうと、よく聞かれる質問です。
透明で、つやっとしていて、光を通す。
確かに見た目だけなら、レジンにもガラスにも似ている部分があります。

実は私自身、ガラスを始める前に「レジンにしようかな」と考えた時期がありました。
今日は、そんな私が最終的にガラスを選んだ理由を、正直に書いてみようと思います。

これは、素材の優劣の話ではありません。
どんな人に、どんな素材が向いているかというお話です。


最初は、レジンを考えていました

私はもともと、透明なものが好きです。
光が透ける感じ、色が重なって見える感じに惹かれてきました。

レジンは、
・封入ができる
・表現の自由度が高い
・比較的始めやすい

そんな魅力があります。

実際、ガラス工芸ができなくても、
「透明感を楽しみたい」という理由でレジンを選ぶ方はとても多いと思います。
それは自然なことですし、私もその気持ちはよく分かります。


レジンに感じた、正直な不安

一方で、始める前に気になったこともありました。

・化学物質を扱うことへの不安
・制作中のにおい
・経年劣化(黄変やベタつき)の可能性

作品として長く使ってもらいたい、という気持ちが強かった私は、
「時間が経ったとき、どうなるんだろう?」
という点がどうしても気になってしまいました。

これはレジンが悪い、という話ではありません。
自分の性格や価値観との相性の問題だったと思います。


ガラスの弱点も、ちゃんと知っていました

ガラスは、正直な素材です。

・重い
・割れる
・アクセサリーには向かない場合もある

実際、ガラス工芸体験でイヤリングを作った方が
「重くて、つけていると頭痛がする」と話してくださったこともありました。

「これは、確かに日常使いには向かないな」
そう感じた経験です。

だから私は、
アクセサリーよりも、置いて楽しむガラスを選びました。


それでも、ガラスを選んだ理由

ガラスは、焼いて作る素材です。
高温で溶かし、形を変え、冷やして固める。

花や紙を中に封入することはできません。
燃えてしまうからです。

でもその分、
素材そのものが主役になる

色、厚み、光の通り方。
余計なものが入らないからこそ、
ガラスそのものの美しさが、そのまま残ります。

この「制限」が、私には心地よく感じられました。


高温作業への不安と、ひとつのステップ

実は、最初からガラスに踏み出せたわけではありません。

電気炉は高温になります。
正直、不安はありました。

そこで私は、先に粘土細工を経験しました。
焼成を伴う制作を通して、
「高温作業は、正しく扱えば怖いものではない」
という感覚を少しずつ身につけていきました。

この経験が、
ガラスを始めるための大切なステップになったと思っています。


道具と向き合う、という選択

ガラス工芸には、電気炉という専用の道具が必要です。
初期投資も決して安くはありません。

でも私は、
「簡単に始められないからこそ、向き合える」
そう感じました。

流行っているから、ではなく。
手軽だから、でもなく。
自分が納得できる形で、続けられるかどうか

それを大切にした結果が、今の制作につながっています。


レジンも、ガラスも、それぞれに良さがある

レジンには、レジンの魅力があります。
ガラスには、ガラスの魅力があります。

どちらが上、という話ではありません。

私は、
・経年変化が少ない素材
・素材そのものを楽しめる表現
・置いて眺める時間を大切にしたい

そんな理由から、ガラスを選びました。

だから今、
アクセサリーではなく、
光を受けて静かに佇むガラス作品を作っています。


おわりに

「どうしてガラスなんですか?」

そう聞かれたとき、
この文章が、私の答えです。

素材選びに迷っている方の、

ひとつの参考になれば嬉しいです。